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ホテルニュージャパン火災

1982年2月8日AM3:30頃出火。

千代田区永田町のホテルニュージャパンの9階客室から出火、 9階及び10階の4186m2が9時間にわたって燃え続け、死者32名、重軽傷30数名を出し鎮火した。 当時、台湾、韓国、ハワイの観光客など315名、出火階である9階には79名、10階には29名が宿泊していた。

出火原因は、イギリス人宿泊客の寝タバコが原因とされている。 最初に火災が発見されたのは、たまたま9階に行った従業員が、938号室から漏れ出る煙に気がついたため。 この従業員は急いで1階の従業員を呼びに行ったが、再び現場に戻った際にはもう手の施しようが無かったという。

この建物には法規上必要なスプリンクラーは3階までしか設置されておりませんでした。 (東京理科大学の検証で、スプリンクラーが設置されていれば初期段階で消火されていたことが報告されている)そしてなんと、 8階以上には防火区画が無く、ベニヤ板や穴の開いたブロックで仕切られていたとのこと。 また、消防訓練はほとんど行われておらず、従業員数も人件費削減のため400名以上から一挙に200名以下に減らされていた。

ホテル経営者の防災意識が欠如している場合、このように建築構造の欠陥や消防設備の不備が重なる可能性が非常に高く、 一流・高級・大型ホテルと言えども、決して安心して泊まれないのである。宿泊施設の経営者は、 「安心・安全を売っている」ということも決して忘れてはいけない。 この火災の後、消防行政は一段と強化された。

また、この火災については5年後の1987年5月、東京地裁にて 「スプリンクラーや防火区画の設置、防火管理者に対する指示・監督を怠った」として、 横井社長に執行猶予無しの禁固3年、元支配人に執行猶予5年、禁固1年6ヶ月の司法判決が下った。