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水上温泉 菊富士ホテル火災

1966年3月11日AM3:20頃出火。

木造3階たての渓流閣、RC4階たての秀嶺閣、地下1階地上3階たての新館および木造離室2棟、その他大浴場からなっていた。

出火原因は、警備員が仮眠中に石油ストーブを倒してしまったことによるもの。 炎の音で目を覚ました警備員は、消火器で消火を試みたが、石油の炎には対処できず、部屋を退出。 フロントで火災報知器を作動させ、建物外の従業員宿舎に行き従業員を起こし、消防機関への通報を依頼した。 その後、現場に戻ったが火勢は勢いを増し、入場は不可能となっていた。

宿泊客は飲酒している者も多く、ほとんどが熟睡中であった。 助かった者の話では、火災報知器のベルは、遠くで電話が鳴っている程度にしか聞こえなかったという。

警備員が従業員宿舎に行く際、玄関を開放したため、風が吹き込み、火を煽ってしまったことで、 火は瞬く間に燃え広がった。宿泊客が煙や臭い、炎で火災と気づいた際には既に停電となっており、 現場はパニック状態となった。

非常口は内側から施錠されており、消防隊による非常口からの侵入は出来なかった。 また、中から出ようとした者も、開錠のしかたがわからずに非常口内側であえなく亡くなった者もいる。

この火災による焼失面積は7棟、3,183m2で、 農業団体の慰安旅行客などの宿泊客158人中計30名が亡くなった大惨事となったが、 3階で亡くなった15名は燃えていない部屋で亡くなっており、 この火災で、煙による一酸化炭素の弊害が注目されるようになった。

なお、このホテルは、国際観光旅館に格付けされた一流ホテルであった。 ホテルの規模や知名度と、「安全」とは全く関係無く、ただ、ホテル側の防災に対する意識の高さだけが関係するのである。